【現役医師が教える】「1週間で搬送9000人以上」災害級の猛暑に役立つ最新の「熱中症の見分け方」を解説。「3秒でできるセルフチェック」方法とは?

    「過ごし方」をテーマに熱中症予防の方法を紹介。「熱中症のサイン・対処法」について、日本大学医学部救命救急センター科長の山口順子さんをゲストに招き、解説しました。

    ウェザーニュースのYouTubeチャンネルで配信される「ウェザーニュースLiVE」。7月22日から24日までの3日間、「熱中症予防WEEK」として、食事・グッズ・過ごし方など1日ごとに熱中症予防に関するテーマを設定し、各番組で詳しく取り上げています。  

    7月24日放送回では、「過ごし方」をテーマに熱中症予防の方法を紹介。「熱中症のサイン・対処法」について、日本大学医学部救命救急センター科長の山口順子さんをゲストに招き、解説しました。

    本記事では「ウェザーニュースLiVE」の許可を得て、番組カットシーンを紹介しながら内容をまとめています。

    ウェザーニュースLiVE番組より

    まずは「熱中症になりにくい環境を」

    消防庁の発表によると、2024年の全国の熱中症による救急搬送者数は7月1日~7日の期間で9105人、7月15日~21日の間にも9078人にのぼっています。

    山口さんは、熱中症になりにくい環境を作るために、「エアコンなどでの適切な室内温度調整」「換気や扇風機で空気を循環させる」そして「定期的な水分補給」などの対策が必要だと解説。

    特に高齢者や子どもは自分の体調の善し悪しや、のどの渇きが判断しづらいこともあるため、大人が定期的な水分補給を促すのが重要だと呼びかけました。

    ウェザーニュースLiVE番組より

    熱中症のサインとは? 熱中症チェックシートで早期発見を

    番組では熱中症の症状をまとめた「熱中症チェックシート」として、

    ・手足がしびれる
    ・意識が何となくおかしい
    ・めまいや立ちくらみがある
    ・意識がない
    ・足がつる
    ・呼びかけに対し返事がおかしい
    ・気分が悪くボーッとする
    ・体がひきつる(けいれん)
    ・頭がガンガンする(頭痛)
    ・まっすぐ歩けない、走れない
    ・吐き気がしたり吐く
    ・体が熱い
    ・体がだるい(倦怠感)

    以上の13項目を紹介。

    こちらの症状に当てはまる場合、まずは涼しいところで休むのが重要で、「休んでも症状が残る、または改善しない場合には医療機関の受診を」と呼びかけました。

    また症状が自己申告できない子どもや、自分の体調を判断できる、簡易的な脱水症のチェック方法も紹介。

    ウェザーニュースLiVE番組より

    ①手の親指の爪の色がピンクであることを確認し、爪を逆の指でつまむ。徐々に爪の色が白くなっていきます。

    ②つまんだ指を話したときに、白くなった爪の色がもとのピンク色に戻るまでに3秒以上かかれば、脱水症を起こしている疑いがある。

    というものです。すぐできる方法なので、ぜひ試してみてくださいね。

    熱中症になってしまった際の対処法

    最後に熱中症になってしまった際の対処法について。

    例えばランナーなどのアスリートが熱中症になった場合は、医療従事者と氷水を入れた桶などが酔いされており、すぐに体温を下げるような対応を取るそうです。

    しかし、自宅や外出先などの医療従事者がいないところで急激に体を冷やしてしまうと、冷やしたことによる急激な状態の変化に対応できないこともあり、慎重に行ってほしいと話します。

    スタジオではスタッフが実際に熱中症になったという想定のもと、実戦形式で対処法を紹介。

    ウェザーニュースLiVE番組より

    ・氷と水を入れたビニール袋で血管の多いところ(足の付け根、わきの下、首筋)を冷やす。

    ・うちわや扇風機で風をあてる。その際、霧吹きなどで水をかけるとより効果的。

    ・飲めるようであれば、水分・塩分をとる。

    という方法を紹介しました。

    また、体を濡らす水は実は「冷たすぎない」ことが重要。 体温が高いときに、人は血管を開いて温度を逃がそうとしますが、冷たい水をかけることにより、体が震えて血管が縮んでしまい、逆に温度を逃がせなくなると解説されていました。

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    最後に山口さんは、これらの対処法によって症状が収まらず、意識が朦朧とするなど危険な症状があれば、救急車を呼んでほしいと呼びかけました。  

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